【日本産科婦人科学会への着床前診断(PGT-M)適用申請について】
当会はかねてより、会の運営方針の1つとして、遺伝性網膜芽細胞腫(RB)の患者とその配偶者(家族)が妊娠・出産を希望した際、
①より多くの適切で実用的な情報を入手できること
②遺伝カウンセリング等での正しい知識を踏まえ、患者とその配偶者が納得して将来の道を選択できること
を支援してまいりました。
その一環として、国内での遺伝性RB患者の着床前診断(PGTーM)の適用を求め、患者やその家族を対象とした専門家によるセミナー開催、各種学会での医療者との意見交換などを進めています。
2018年、当会会員の遺伝性RB患者が、日本産科婦人科学会(以下日産婦)に対し、PGT-Mの適用申請を行いました。当会は、患者とその家族からPGT-Mの賛否を問うアンケートを行い、集計結果を申請資料として提出する等、患者の声を踏まえた医療者の議論の活性化に協力して参りました。
その後、会員のPGT-Mは非承認となりましたが、当会は、非承認に至った議論の内容等の公開を求め、同年8月、日産婦に対し、「質問書」を提出いたしました。
2019年3月、日産婦より回答書が届きましたので、会員の皆様には、当会が提出した質問書、及び学会からの回答書(抜粋)を専用ページで公開いたします。
なお、当会は遺伝性RB患者の出産において、「患者とその家族が希望するのであれば、PGT-Mも選べる社会に」と考えておりますが、「PGT-Mのみを推奨する団体」ではありません。
今後も、遺伝に関する基礎知識や、疾患の早期検査・発見等、その他の具体的な方法についても、適切な情報提供を続けていく所存です。
最後に、突然の質問書送付にもかかわらず、誠意あるご対応とご回答を賜りました日本産科婦人科学会に感謝を申し上げます。
今後とも当会は、患者とその家族に正しい知識の普及を図ると共に、治療を乗り越えてきた成人患者とその家族のQOL向上と、RBを含めた遺伝性疾患当事者の意見を社会に伝え、幅広い議論に資するよう努力してまいります。
会員/非会員を問わず、RB患者本人やそのご家族、RB以外の遺伝性疾患本人やそのご家族からも随時、情報や意見を広く募集しております。
ご相談、ご意見等はこちらからお寄せください。
2019年4月 RBピアサポートの会 共同代表